床矯正
■床矯正とは? 歯並びが悪くなってしまうのには、4つの原因があるといわれています。 患者さん本人やお父さんお母さんが、子どもの歯並びの悪さに気付かれるのは、大体6~7歳ごろです。この時期に、上下の前歯が重なって生えてくるからです。 最近の子どもはあごが小さくなったと言われますが、その影響で、並びきれない歯が重なってしまうのです。ですから、かたいものをよくかんであごを成長させるか、床装置であごのスペースを拡大すれば、歯がきれいに並ぶようになります。 6~7歳の段階であごが小さいことが分かったときにすぐに床矯正をしておけば、お子さんの負担も、親御さんの経済的な負担も軽くて済みます。「様子を見る」と言ってそのまま放置しておくと、9歳を過ぎたころになって犬歯の生えるスペースがなくなってしまい、複雑な歯列になってしまいます。そうなってからの治療は、当然負担が大きくなります。 子どもは、10代中ごろまでが成長期です。 一般に、矯正治療では歯を並べるスペースを作るために抜歯をすることがありますが、成長途中の子どもの場合は、歯に合うあごに成長させるか、治療であごを拡大すれば、大切な歯を抜かなくても歯を並べることができます。 単に歯がきれいに並べばいいという視点で治療をしたり、成長途中で抜歯してしまうと、あごの筋肉や口とその周りのバランスを崩す危険性があります。床矯正は、あごを拡大する非常に合理的な治療です。歯を並べるためだけでなく、舌や口の周りの筋肉も正しく機能するように治療していきます。 (成人の矯正の場合は、顎関節症との兼ね合いで抜歯を選択することがあります。また、成人はあごの成長が終わっていますから、床矯正の方が負担が大きい場合には、抜歯をすることもあります。) ■床矯正と、抜歯による矯正の比較 <抜歯による矯正>抜歯による矯正方法では、歯の重なりをなくすために必要なスペースを確実に作ることができますが、抜歯をしてあいたスペースと、歯の重なりをなくすために必要なスペースが、必ずしも一致しない場合があります。(スペースに余裕がありすぎたり、あと少しスペースが足りなかったり等…) 【あごの成長】 <抜歯による矯正> 【取り外し】 抜歯による矯正 【むし歯のなりやすさ】 <抜歯による矯正> |